2025年参議院選挙の結果、自民党はまさかの大敗を喫しました。多くのメディアや政界関係者は敗因分析を急ぐ中、一部の自民党議員からは「石破茂が足を引っ張った」などと責任転嫁するような声も聞こえてきました。

しかし、有権者の多くは思っているはずです。「石破のせいじゃなくて、そもそも現職議員のあなたたちの政治姿勢こそが問題だったのでは?」と。

本記事では、その背景を具体的に掘り下げていきます。


1. 「石破茂」のせいにする構図とその違和感

自民党内の一部議員や支持者は、党内で独自の意見を述べる石破茂氏の言動が「党の足を引っ張った」と批判しています。しかし、それは本当に妥当な分析なのでしょうか。

石破氏は、かねてより防衛・外交・地方創生などにおいて持論を展開しており、党内でも「政策通」として知られる人物です。党に対して内部批判を行うこともありましたが、それはあくまで建設的な視点からの提言であり、党そのものを貶めるような行動とは性質が異なります。

それに対し、問題視すべきは、党の中枢を担う現職議員たちが「国民の声を聞いてこなかった」ことではないでしょうか。


2. 有権者は「石破の発言」より「現職の不誠実さ」に怒っていた

今回の選挙で自民党が都市部を中心に支持を大きく落とした理由は明白です。

  • 説明責任を果たさない態度
  • 派閥人事・裏金問題に関する曖昧な対応
  • 国民生活と乖離した政策のゴリ押し
  • 政権批判に耳を塞ぐ姿勢

これらは、石破氏とは無関係です。むしろ、現職の閣僚や与党幹部たちの「上から目線」の言動が、国民の怒りを買った要因だと考えるのが自然です。

SNS上では、「また誰かのせいにして終わるの?」「反省ゼロかよ」といった声が多数見られ、「石破のせい」とする空気に対して、強い反発が広がりました。


3. 派閥政治のツケが一気に噴き出した

岸田政権以降も根強く残る「派閥政治」。世代交代を進めるとしながら、結局は古い体質に引きずられたままの人事と意思決定。それに失望した有権者は、投票所で静かに“NO”を突きつけました。

にもかかわらず、選挙後も反省するどころか、「外野(石破)のせい」にしているようでは、次の選挙も危ういと言わざるを得ません。


4. 真の敗因は「自民党の慢心」と「政策なき選挙」

2025年の参院選は、与党にとって「信任投票」の意味を持っていました。ところが、自民党からは明確なビジョンや政策がほとんど打ち出されず、「野党が頼りないから自民に入れるだろう」とタカをくくっていた節があります。

これは、国民の暮らしや不安を軽視する態度に他なりません。

しかも、説明不足の増税論や社会保障制度の見直し案だけが先行し、誰も納得できない「負担の押しつけ感」があったことも否めません。


まとめ:「石破茂批判」は責任逃れの象徴に過ぎない

「石破が悪い」とする声が出るたびに、国民はこう思っています。

「石破じゃなくて、お前らのせいじゃん」

真に問われるべきは、政権を担っていた人たちの姿勢であり、現場感覚の欠如です。自民党が再び信頼を取り戻すには、まず「自分たちが何を間違えたのか」を率直に認めることが不可欠です。

それができない限り、次の選挙でも再び「お灸」を据えられることになるでしょう。

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