「問題提起」——これは政治家としての重要な仕事のひとつです。しかし、そこで終わっていては単なる“パフォーマンス”に過ぎません。最近では、SNSやテレビで声高に問題を叫ぶだけの“マウント取り議員”が目立ち、本来あるべき政策立案・法整備・制度改革にまで責任を持つ姿勢が欠けている議員が増えています。これは日本の民主主義にとって深刻な問題です。


■ 「問題提起で満足」の危険性

かつて、ある地方議会の議員が「通学路が危険だ」とSNSで発信し、大きな反響を呼びました。ところが、彼はその後、役所に丸投げして現地視察もせず、道路の改修やガードレール設置の具体的な提案すら出さずに終わりました。現場の職員は困惑し、結局対策が取られたのは住民の陳情によるものでした。

このように「声を上げただけ」で満足し、後は“役所任せ”の姿勢では、何も変わりません。むしろ、現場に過度な負担をかけ、住民からは「役所は動かない」と不満を招く悪循環になります。


■ SNS映えする問題提起が目的化?

とくに最近の“若手改革派”を自称する議員たちは、SNSでの注目を集めることに執着しがちです。「この町のゴミ処理は非効率だ」「教育行政に無駄がある」など、問題を挙げるまでは良いのですが、その先の解決策の提案や議会での質疑はおざなり。フォロワー数や“いいね”の数ばかりを気にしているようでは、政治ではなく自己ブランディングに過ぎません。


■ 真に必要なのは「実現力」

一方で、地味でも粘り強く実績を積んでいる議員もいます。たとえば、東京都内のある区議は、地域の空き家問題について住民と協議を重ね、実際に空き家対策条例の制定までこぎつけました。表には出にくい活動ですが、こうした“政策を形にする”議員こそ、住民の生活を守る本物の政治家と言えるでしょう。


■ マウントを取るだけの議員を見抜くには?

「誰よりも早く問題提起をした」と自己アピールばかりする議員には要注意です。選挙の前だけ異常に目立つ、対案を一切出さない、批判ばかりで他の議員との協調性に欠ける…こうした特徴がある場合、実効性よりも“自分をよく見せる”ことが目的になっている可能性があります。


■ 有権者が見るべきポイント

・問題提起の“その後”に関わっているか
・議会での提案、質疑、法案提出などの実績があるか
・役所や住民と連携した形跡があるか
・政局よりも地域課題への真摯な取り組みがあるか

これらを見極めることが、マウント取りだけの“なんちゃって改革派”に騙されないために必要です。


■ まとめ

政治家は「問題を見つける人」ではなく、「問題を解決する人」であるべきです。発信力だけで評価する時代はもう終わりにしなければなりません。有権者一人ひとりが、議員の“その後”を見ていく目を持つこと。それが日本の政治を真に立て直す第一歩なのです。

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