2025年7月現在、西日本を中心に大気の状態が非常に不安定となっており、気象庁は高知県と徳島県において「線状降水帯」発生の可能性が高まっていると発表しました。線状降水帯とは一体何なのか?なぜこれほど危険なのか?そして、私たちはどのように備えるべきなのか?この記事ではその背景と対策を詳しく解説します。


線状降水帯とは何か?

線状降水帯とは、発達した雨雲(積乱雲)が次々と同じ場所にかかり続ける現象のことを指します。強い雨が長時間降り続けるため、短時間に記録的な大雨となることが多く、土砂災害、河川の氾濫、浸水被害などの災害を引き起こす重大な要因となります。

近年では2021年の熱海土石流災害、2020年の熊本豪雨災害などで線状降水帯による甚大な被害が記録されました。


なぜ高知・徳島に注意が必要なのか?

今回、線状降水帯が発生する可能性が高まっている理由は以下の通りです。

  • 梅雨前線が活発化し、南から非常に湿った空気が流れ込んでいる
  • 太平洋高気圧の縁辺に沿って、積乱雲が連続的に発生する気象条件が整っている
  • 高知・徳島は山が多く、地形が複雑で、雨雲が滞留しやすい地域特性を持つ
  • 過去にも両県では、線状降水帯による甚大な被害の前例がある

つまり、「地形+気象条件」が線状降水帯を引き起こしやすくしているのです。


想定される災害リスクとは?

1. 土砂災害の危険性

高知・徳島の山間部では急傾斜地や未整備の山林が多く、雨水が地盤にしみ込むと土砂崩れや山腹崩壊が発生しやすくなります。

2. 河川の氾濫

吉野川、那賀川、物部川などの一級河川や中小河川の氾濫リスクが高まる可能性があります。特に都市部に流れ込む中小河川は急激に水位が上昇しやすく、避難が間に合わないケースも想定されます。

3. 都市部の浸水

徳島市、高知市などでは排水能力を超える大雨によって、下水道の逆流や道路冠水、住宅浸水の被害が予想されます。


気象庁の対応と予測

2025年7月17日朝、気象庁は高知県および徳島県に対して「顕著な大雨に関する情報(線状降水帯発生可能性)」を発表しました。今後数時間以内に災害発生の危険性が急激に高まる恐れがあるため、最新の気象情報に十分注意する必要があります。


住民が今すぐできること

  1. 避難経路と避難所の再確認
     自治体のハザードマップを確認し、危険区域に住んでいる人は早めの避難を検討しましょう。
  2. スマホの災害アラートをONにする
     緊急速報メールやLアラートを受け取れるよう設定確認を行ってください。
  3. 「いつ避難するか」を家族で共有
     夜間に避難が必要になるケースもあります。できるだけ明るいうちに避難を。
  4. 車の避難は慎重に!
     アンダーパスや低地の道路は浸水リスクが高いため、無理に走行せず、早めに安全な場所へ移動を。

最後に:命を守る行動を最優先に

線状降水帯は短時間で状況が急変する危険性を持っています。気象庁や自治体からの情報をこまめにチェックし、「自分の命は自分で守る」という意識を常に持つことが大切です

「まだ大丈夫」と思わず、迷ったら避難。それが最悪の事態を避ける第一歩です。


参考リンク:

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