SNSで「地球、壊れる」「自転が急に速まっている」「世界が終わる?」といった過激な声が広がっています。ただ、科学的にはこの現象は確かに異例ですが、「地球が壊れる」ような危機ではありません。以下では、事実と背景をわかりやすく整理します。
✨ 最近の観測:地球の“日”が短い?
2025年夏、地球の自転がわずかに速まっていると観測されました。
- 7月10日:1日が 1.36ミリ秒短かった(最短記録)
- 7月22日:1.34ミリ秒短く、2025年で2番目の短さに www.ndtv.com+7San Francisco Chronicle+7The Times of India+7Live Science+7Space+7The Times of India+7Space+8TIME+8Space+8
- 8月5日も同様の短縮が予測されている TIMEThe Times of Indiathesun.co.ukLive Science
*ミリ秒=1000分の1秒。人間にはまったく感じられないほど微細な変動です。
🔄 自転が変わる理由とは?
● 月の特定位置による影響
月が赤道から最大偏差の位置にあるとき、月の重力が地球の自転をわずかに加速すると考えられています。この夏、7月9日・22日・8月5日は月の位置と重力バランスが特異な条件だったためとされます Live Science。
● 地球内部や地球環境の変化
- 溶融核やマントルの循環
- 氷河の融解や水の再分配による質量移動
- 地殻や大気の質量変化が遠心力に影響を及ぼし、回転速度を微調整します ウィキペディアウィキペディアLive ScienceThe Economic Times。
🧪 歴史的な視点で見れば「短い日」は珍しくない
- 2020年以降、地球は過去50年間で最も速く回転している傾向にあります ウィキペディア+14サイエンスフォーカス+14AP News+14
- 2024年7月5日には、1.66ミリ秒短く、記録史上最短の日を記録 Live Science+12Space+12Live Science+12
- しかし、長期的には地球は徐々に自転が遅くなり、日数は増えていく傾向にあります(数世紀で1~2ミリ秒遅延) TIME+4The Economic Times+4www.ndtv.com+4。
🧭 システムに与える影響は?
● 時間調整(うるう秒)の変化
通常、自転が遅くなると“うるう秒”を加える必要がありますが、今回は逆の動き(速くなる)のため、世界で初めて「マイナスうるう秒」の導入が議論されています(2029年ごろの可能性) AP NewsLive Sciencewww.ndtv.com。
● システム同期への負荷
GPS、通信網、金融システム、科学機器などは、時間の正確性に極めて敏感です。ミリ秒の変化でも微調整が必要となり、技術側には複雑な対応が求められます The Times of India+3Live Science+3bostonbrandmedia.com+3。
❌ 「地球が壊れる」は誤解!でも無視できない変化
日々の生活には影響がないとしても、この変化は科学者や技術者にとって“取扱注意”な事象です。
「地球が壊れる」という表現は過剰ですが、精密技術社会に生きる私たちにとって、時間の微妙なズレにも備える必要があることは確かです。
✅ まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
自転速度の変化 | 夏にかけて日に1.3〜1.6ミリ秒短縮 |
主な原因 | 月の位置、地球内部や質量分布の変動 |
歴史的傾向 | 長期では自転はゆっくり遅くなる傾向あり |
システム対応 | マイナスうるう秒の検討、時刻同期への影響 |
日常への影響 | ほぼなし。しかし技術・社会インフラには重要 |
🧠 終わりに:見えない変化だからこそ気をつけたい「時間」を巡る話
地球の自転速度という一見遠い話でも、GPSや通信、金融ネットワークなど私たちの社会基盤に不可欠な精度に直結しています。「地球が壊れた」わけではありませんが、時間の揺らぎに対応できる体制が求められていることは確かです。
科学の現場、技術の世界、行政の時間管理…私たちは改めて「時間」の在り方を見直す時期に来ています。