最新の調査(2025年 SMBCコンシューマーファイナンス調べ)によると、婚活中の男女の80.6%が「婚活疲れ」を感じているという衝撃的な実態が明らかになりました。特に女性に限れば86.8%、つまり約9割近くが疲弊しながら活動を続けていることになります。

なぜ、これほどまでに婚活は「出口のない蟻地獄」と化してしまったのでしょうか。その背景と、心を壊さないための処方箋を解説します。


1. 「選べる自由」が「選ぶ苦痛」に変わる瞬間

現代の婚活、特にマッチングアプリを中心とした活動が泥沼化する最大の理由は、**「選択肢の多すぎることによる麻痺(選択のパラドックス)」**です。

  • 「もっといい人がいるかも」の罠:1人と会っても「悪くないけど、他にもっと条件の良い人がいるのでは?」という欲が生まれ、決断ができなくなります。
  • メッセージのルーチン化:何十人と同じような自己紹介を繰り返し、深みのないやり取りを続けることで、相手を「1人の人間」ではなく「スペックの並んだカード」として見るようになり、心が摩痺していきます。
  • 期待と落差の繰り返し:プロフィールの写真やスペックから期待値を最大化して会うため、対面時の「思っていたのと違う」という落差がダメージとして蓄積されます。

2. 男女別「婚活疲れ」の決定的な違い

同じ「疲れ」でも、男性と女性ではそのストレス源が大きく異なります。

項目男性の主な疲れ女性の主な疲れ
金銭面デート代、アプリ会費、移動費の負担増自分磨き(美容・服)、写真撮影代の負担
精神面「お断り」されることへの自尊心の低下危険な相手や「遊び目的」の選別による警戒
労力最初のメッセージ送り、店選びの重圧会話が盛り上がらない相手への気遣い

特に女性の場合、年齢が上がるほど「婚活疲れ」を感じる割合が高くなる傾向にあり、35〜39歳では**84.3%**に達しています。これは、出産やキャリアの焦りと並行して、婚活市場での立ち位置の変化に直面するストレスが大きいためです。


3. 「婚活泥沼」から抜け出すための3つの処方箋

「もう誰に会っても同じに見える」「スマホを見るだけで動悸がする」といった症状が出始めたら、それは重度の婚活疲れです。以下のステップで自分を守りましょう。

  1. 「期限付きの休息」を取り入れる「1ヶ月だけアプリを消す」など、期限を決めて完全に婚活から離れます。脳がリセットされることで、再開時に「人を人として見る」感覚を取り戻せます。
  2. 「減点法」から「加点法」へ「年収が足りない」「顔が好みじゃない」と欠点を探すのではなく、「笑うタイミングが似ていた」「お礼が言えた」といった加点ポイントに目を向けるトレーニングが必要です。
  3. 活動場所をガラリと変えるアプリで疲れたなら、思い切って結婚相談所や、共通の趣味を持つコミュニティなど、ルールや環境が違う場所に移動しましょう。環境を変えるだけで、出会う層の質が劇的に変わることがあります。

まとめ:婚活は「自分を削る作業」ではない

本来、誰かと添い遂げるための活動が、自分自身のメンタルを削り取ってしまっては本末転倒です。8割以上が疲れている今の時代、**「疲れるのは自分のせいではなく、システムのせい」**だと割り切ることも大切です。

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