定年退職後の年金、早く受け取りたい気持ちは分かりますが、繰り上げ受給には注意が必要です。そのデメリットを解説します。
年金の繰り上げ受給とは?
通常、年金は65歳から受け取り開始ですが、繰り上げ受給をすると、60歳から65歳になるまでの間に年金を受け取ることができます。ただし、繰り上げ受給にはデメリットも存在します。
繰り上げ受給のデメリット
- 年金額が減額される:繰り上げ受給すると、本来の年金額から減額された年金が生涯にわたって支給されます。減額率は、繰り上げ時期によって異なります。
- 減額率は最大30%:2022年4月1日以降に60歳になる人は、1ヶ月あたり0.4%の減額率です。2022年3月31日以前に60歳になった人は、1ヶ月あたり0.5%の減額率です。
- 加給年金が受けられない:厚生年金に20年以上加入している人が65歳になると、配偶者がいる場合に加給年金が支給されます。しかし、繰り上げ受給をすると、この加給年金が受けられなくなります。
- 遺族年金が減額される:繰り上げ受給した人が亡くなった場合、遺族が受け取る遺族年金も減額されます。
- 所得税・住民税が増える可能性:年金収入が増えることで、所得税や住民税の負担が増える可能性があります。
繰り上げ受給のメリット
- 早期に年金を受け取れる:60歳から年金を受け取ることで、老後の生活設計に余裕が生まれます。
- まとまったお金が必要な場合に使える:住宅ローンの返済や介護費用など、まとまったお金が必要な場合に活用できます。
繰り上げ受給を検討する際の注意点
- 減額率を理解する:繰り上げ時期によって減額率が異なるため、事前に確認しましょう。
- ライフプランを考慮する:老後の生活設計や健康状態などを考慮し、慎重に検討しましょう。
- 専門家に相談する:年金事務所やファイナンシャルプランナーなど、専門家に相談するのも良いでしょう。