2025年7月に日本で大災害が起きる――そんな“予言”が、海外の旅行者に不安を与え、旅行業界に思わぬ影響を及ぼしています。特に香港を中心に、訪日旅行をキャンセルする動きが広まり、旅行会社も対応に追われています。この記事では、その発端から実際の影響までを、具体例を交えて詳しく解説します。


漫画『私が見た未来 完全版』が発端に?

この一連の動きのきっかけとなったのは、漫画家・たつき諒さんの著書『私が見た未来 完全版』(2021年出版)です。1999年に出版された初版の表紙に「大災害は2011年3月」と書かれており、それが東日本大震災と符合したとして話題になりました。

続編とも言える『完全版』には、「本当の大災難は2025年7月にやってくる」という記述があり、この言葉がSNSやYouTubeなどで世界中に拡散。特に香港では、旅行者の間でこの「予言」が話題となり、日本旅行に不安を感じる人が急増しています。


実際に起きている旅行キャンセルの動き

香港の大手旅行会社「縱橫遊(WWPKG)」の袁振寧代表は、地元メディア「星島頭條」の取材に対し、次のように語っています:

「たしかに地震の噂で日本ツアーの問い合わせが減っている。一方でドバイやトルコなど、他の目的地への問い合わせが急増している。今後は価格調整や宣伝強化を考えている。」

また、別の旅行会社「金怡假期」も、顧客の不安を受けて急遽オーストラリア、ニュージーランド、ドバイなどの新規ツアーを用意。いずれも20,000香港ドル(約39万円)前後と、日本旅行と同程度の価格帯に設定し、代替旅行先として提案しています。


逆に「今のうちに日本へ」という声も

一方で、「今のうちに日本へ行っておこう」という旅行者も存在し、5〜6月の訪日予約は例年よりも増加しているとの声もあります。

旅遊促進会の総幹事・崔定邦氏はこう述べています:

「7月に何か起こるかもしれないと聞いて、逆に5〜6月に日本へ行く人が増えている。私は予言は信じていないが、日本は依然として人気の高い旅行先です。」


情報との向き合い方が問われる時代に

こうした現象は、漫画の一節という「予言めいた情報」がSNSなどを通じて現実に影響を与えるという、現代ならではの事例です。

もちろん科学的な根拠がない限り、予言に基づいた行動は慎重にすべきです。しかし、感情や不安は理屈を超えて人々の行動に大きな影響を与えるもの。旅行業界としても、こうした情報の波にどう対応するかが問われています。


まとめ

  • たつき諒氏の漫画に記された「2025年7月の大災難」が海外、特に香港で大きな反響を呼んでいる。
  • 実際に訪日旅行のキャンセルや変更が相次ぎ、旅行会社は対応に追われている。
  • 一方で「予言前に行っておこう」という需要もあり、短期的な訪日旅行が増加している。
  • 情報の受け止め方と対応力が、今後の観光業界に求められている。

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