■ はじめに
2025年現在、日本で「結婚しない」という選択をする若者が急増しています。
以前は「そのうち結婚するのが当たり前」とされていた時代。しかし、今や「一人で生きる」「結婚にメリットを感じない」という声が現実の選択として広がっています。
この記事では、最新データと実際の声を交えながら、なぜ日本の結婚離れが進んでいるのか、その背景と実情を具体的に解説します。
■ 結婚離れ、数字で見る日本の現状
● 婚姻数は戦後最低を更新中
厚生労働省の統計によると、2023年の婚姻件数は48万組。前年比で約3万組減少し、戦後最少を記録しました。
2024年も減少傾向が続いており、2025年には「40万組台前半」になる可能性すら指摘されています。
● 生涯未婚率は過去最高水準
2020年国勢調査より
- 男性の生涯未婚率:28.3%
- 女性の生涯未婚率:17.8%
この数値は今後さらに上昇すると予測されており、「結婚しない人」が“少数派”ではなくなる未来が現実味を帯びてきています。
■ なぜ若者は結婚を選ばないのか?
理由①:経済的な不安
非正規雇用や年収300万円以下の若年層が増加し、
「結婚して家庭を支える自信がない」
「2人分の生活費を稼ぐ自信がない」
という声が多数。
例:都内在住の25歳男性(フリーター)
「自分の生活すらギリギリ。結婚して子どもとか、正直無理です。」
理由②:結婚のメリットを感じない
恋愛やパートナーシップが「必須」ではなくなった現代。
- 一人のほうが自由
- 家事もネットも全部一人で完結できる
- 夫婦関係で苦しんでる人が多いのを見てきた
例:横浜在住の28歳女性(会社員)
「結婚した友達がストレス抱えてるの見てると、私は自分の人生に集中したいと思う」
理由③:親になることへの恐怖
子育てにかかるお金や労力を考えると、「子どもは贅沢品」という意識が強まり、
「結婚=出産・育児」というセットを避ける流れに。
例:福岡市の30歳男性(IT企業勤務)
「もし子どもができたら、教育費とか老後の備えとか無理。子どもは幸せにできる気がしない」
■ SNSにあふれる「独身上等」な価値観
TikTokやX(旧Twitter)では、「独身ライフを満喫する若者」の投稿が増えています。
- 一人旅を楽しむ
- 趣味に月5万円使う
- 貯金してFIREを目指す
- 推し活やペットに全力
「結婚しない選択」が後ろめたさではなく、ライフスタイルとして“かっこいい”とされる傾向すら出てきています。
■ 結婚しても「離婚」前提?変わる結婚観
- 令和の結婚観:「一生添い遂げる」より「無理ならやめればいい」
- 離婚率は3組に1組(※厚労省調べ)
- 「失敗したくないから結婚しない」という逆説的理由も存在
例:千葉県の27歳女性(美容師)
「うちの親も離婚してるし、“結婚=安定”ってイメージない。逆に一人のほうがラク」
■ じゃあ結婚は“終わる”のか?
決して「結婚=悪」ではありません。
結婚する人もしない人も、どちらも尊重される時代に移行しているのがポイントです。
ただし政府や自治体が想定していた「普通の人生設計(就職→結婚→出産→マイホーム)」は、すでに“普通”ではなくなりつつあるということ。
■ おわりに
結婚は“する・しない”の選択ではなく、“したいかどうか”の個人判断へと完全にシフトしました。
「結婚=正解」という時代は終わり、「独身=失敗でも異常でもない」ことが当たり前になっています。
結婚を前提にした社会制度も、今後はアップデートが求められるでしょう。
結婚しない人生を選ぶ若者たち――それは逃げではなく、自分の幸せを自分で選ぶ意思表示なのかもしれません。