はじめに

2025年、トランプ前大統領が再び「アメリカ・ファースト」を掲げ、日本製品に25%の関税を課すと表明。発動日は8月1日ともされ、緊張が高まっています。

この一手が日本に及ぼすのは貿易や外交だけではありません。すでに冷え込み始めている日本の雇用市場が、完全に“凍りつく”危機、すなわち「就職氷河期」の再来です。

かつて1990年代後半〜2000年代前半にかけて経験した、“働きたくても働けない”あの悪夢の時代が、再び訪れるのか?


1. 関税25%の衝撃:なぜ今、日本が狙われたのか?

トランプ氏が関税強化の対象に日本を選んだのには、以下のような背景があります。

  • 日本からの貿易黒字が再び拡大(特に自動車・精密機器)
  • 円安によりアメリカ製品が不利とする政治的主張
  • 米中対立が長期化する中、日本への圧力強化で“米国製造業の復活”を演出

つまり、日本は“外交・経済のスケープゴート”にされやすい位置に立たされているというわけです。


2. 日本経済への直接的打撃

■ 自動車・電子機器産業の大打撃

  • トヨタ、日産、マツダなど主要自動車メーカーの米国販売に直撃
  • ソニー、パナソニック、キャノンなども関税で価格競争力を失う
  • 国内の製造拠点にも影響し、国内雇用の削減圧力が強まる

■ 株価の下落と企業の“守りの姿勢”

  • 関税発表直後から日経平均株価が不安定に推移
  • 企業は採用・投資を抑制し、防衛モードへ移行
  • 若年層・非正規雇用者が真っ先にその影響を受けることに

3. すでに始まりつつある“就職氷河期2.0”

かつての就職氷河期(1997〜2005年頃)では、

  • 新卒採用の大幅削減
  • 非正規雇用・派遣労働の急増
  • 正社員になれず、生涯年収が低い“ロスジェネ世代”の誕生

という社会構造の歪みが生まれました。

そして現在――

  • 人手不足とは裏腹に、賃金上昇に企業が耐えられなくなりつつある
  • 新卒採用の内定率が鈍化(2025年春、前年比マイナス)
  • 業界によっては内定取り消しや“採用凍結”も検討

といった、“あの時代の空気”が再び漂い始めています。


4. 特に危険なのは「若者」「女性」「地方」

関税や輸出減の影響を受けやすい業界では、まず非正規雇用やアルバイトが切られます。

  • 若者:未経験・ポテンシャル採用枠が真っ先に削られる
  • 女性:出産や育児によるブランクがリスク扱いにされやすい
  • 地方:製造業に依存した地域は“雇用の場そのもの”が消える可能性

このまま行けば、「再就職できない20代」「職を選べない30代」「老後の資金を稼げない50代」といった形で、世代を超えて深刻な“働けない社会”が訪れる可能性があります。


5. 政府の対応と限界

現在の政府は、トランプ氏との外交交渉に追われつつも、以下のような方針を打ち出しています。

  • 製造業への緊急補助金措置
  • 公共事業を通じた雇用創出
  • 中小企業の人材育成支援金の拡充

しかし、これらは即効性に乏しく、根本的な経済構造の変化に追いついていないのが実情です。


6. 私たちにできる“氷河期回避”の備えとは?

就職氷河期は、「社会が悪い」だけで済ませられないほど、個人の生活を直撃します。いま私たちにできる現実的な備えとは――

  • 早期からのスキル取得(IT、語学、会計など)
  • 副業やリモート収入源の確保
  • 転職市場の動向を日頃からチェックする“情報戦”の意識
  • 家計の見直しと防衛的な生活設計

“動けるうちに動く”。それが、次の氷河期を生き延びるカギです。


おわりに

トランプ氏の関税発動は、政治的パフォーマンスかもしれません。けれども、その影響は現実の数字として、日本の働く人々の生活に確実に影を落とします。

そして、気がついたときには「もう働ける場所がない」という時代になっているかもしれません。

今こそ、国も個人も「待つのではなく、備える」べき時です。

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