セミの抜け殻じゃない?「生きた幼虫の乱獲」という新たな問題
2025年7月、都内の複数の公園で「セミの幼虫採取禁止」と書かれた注意喚起の張り紙が見られるようになりました。これまで聞いたことのなかった「セミの乱獲」という言葉ですが、実はここ数年、特に夏場の夕方以降にセミの“幼虫”が集中的に採られているという現象が起きています。
なぜ今、セミの幼虫が狙われるのか?
背景1:中国や台湾などでの「昆虫食」文化の影響
- セミの幼虫は、中国・東南アジアでは高級食材として扱われており、油で揚げたり、炒めて食べる習慣があります。
- 都内でも、留学生や観光客の一部が食用目的で捕まえているという通報や目撃情報が、公園管理事務所や自治体に複数寄せられているといいます。
具体例:
「新宿区内の某公園で、日が暮れる頃になると懐中電灯を片手に木の根元を掘る外国人の姿を毎晩見かける。翌朝には木の根元に抜け殻もない状態で、地面に穴が残っている」(近隣住民の証言)
背景2:日本の公園は「採取禁止」が原則
- 日本では多くの公園が「自然保護区域」や「公共施設」として位置づけられており、動植物の採取が条例で禁止されていることが一般的です。
- しかし、「セミの幼虫が対象である」という認識が浸透しておらず、明確に禁止されていなかったことが“抜け穴”に。
注意喚起は多言語で:中国語・英語での表記も導入
各地の自治体や公園管理者は対応を強化し、張り紙の内容を日本語+英語+中国語の3言語で表示するケースが増えています。
具体例(張り紙の内容):
コピーする編集する【お願い】セミの幼虫を採取しないでください。
This park prohibits collecting cicada nymphs.
请不要捕捉蝉的幼虫。
- 特に中国語表記は、観光客や在日外国人への配慮として重要視されており、東京・上野恩賜公園、代々木公園、日比谷公園などで掲示が確認されています。
- 一部では、QRコード付きで条例の根拠を案内するタイプも登場しています。
セミの生態系にも悪影響
- セミの幼虫は、地中で6〜7年間過ごしてから羽化します。幼虫の段階で乱獲されると、翌年以降のセミの個体数が激減します。
- また、セミは都市部の鳥(ヒヨドリ、ムクドリなど)の重要な餌でもあり、生態系バランスにも影響が出かねません。
実際の例:
「ここ数年、セミの鳴き声が明らかに少ない。特にミンミンゼミやアブラゼミが減っている印象がある」(練馬区内の自然観察指導員)
法的な問題:条例違反・文化摩擦にも注意
- 都内の多くの自治体では、公園での動植物採取は条例違反。違反が繰り返されると退去命令や警察対応の対象となる可能性があります。
- さらに、文化の違いを背景に**「外国人によるマナー違反」として炎上**することもあり、SNSなどでも話題になりやすい状況です。
まとめ:セミは“日本の夏”を支える重要な存在
セミの声が聞こえると、私たちは「夏の到来」を感じます。しかし、そうした風景を守るためには、一人ひとりが自然への敬意を持つことが必要です。
- セミの幼虫の乱獲は、単なる“マナー”の問題ではなく、自然破壊にもつながる行為。
- 公園での多言語注意喚起は、観光・共生の時代に必要な配慮でもあります。
✅最後に:私たちができること
- 公園で見かけた採取行為を見過ごさず、やさしく注意するか、管理事務所へ連絡。
- 子どもたちにも「採らない・傷つけない」の意識を育てる。
- 乱獲を“面白がってSNSに投稿”するのではなく、自然との共存を拡める発信を。