命がけの現場が「割に合わない仕事」になってきた
連日の猛暑で、全国各地の建設現場から悲鳴が上がっています。とくに北海道でさえ40度に迫る異常な暑さとなった2025年7月、日本中の建設労働者が「毎日倒れそう」「本当にやってられない」とSNSなどで声を上げ始めました。
こうした過酷な環境にも関わらず、実は彼らの給料は激減しているという現実があります。
なぜ給料が減っているのか?
1. 材料費高騰による元請けのコスト圧縮
建設業界では、資材や燃料費の高騰が続いており、元請け企業は少しでもコストを抑えようと、下請けや現場作業員への支払いを削減する傾向が強まっています。
結果として、現場で汗を流す人たちの「手取り」が圧迫されているのです。
2. 働けない日が増えている
近年の酷暑では、気温35度を超えるような日には「熱中症リスク」が高まるため、作業中断や早退が常態化しています。
しかし、日給制が多い建設現場では「働けなければ稼げない」という仕組みのため、体調を守る=収入減というジレンマが発生しています。
「誰がやるのか?」深刻な人材難
今や建設業界は高齢化と若手不足に悩まされ、さらにこの酷暑と低賃金によって人手がますます離れていく悪循環に陥っています。
実際、厚生労働省の統計によると、25歳以下の建設作業員は全体のわずか7%。平均年齢は45歳を超え、体力的にも限界が見え始めています。
若者が「割に合わない」と敬遠し、熟練者は定年を迎える中、将来のインフラ整備に必要な人材が完全に枯渇するリスクが現実味を帯びてきました。
暑さ対策は進んでいるのか?
政府や自治体は「熱中症対策マニュアル」や「ミストファン設置補助」などを打ち出していますが、現場レベルでは十分に機能していないという声が多数です。
また、空調服や冷却ベストといった新技術の導入も進みつつありますが、これらのコストを誰が負担するのかという問題もあり、すべての現場で平等に行き渡っているとは言えません。
まとめ:誰もやらなくなったら、日本はどうなる?
インフラを支える現場が崩壊すれば、道路や建物の修繕・更新が追いつかず、日本社会そのものが危機にさらされます。
にもかかわらず、現場で働く人々に報いない今の構造は、「安さ優先」「効率優先」の政治と社会の結果とも言えるでしょう。
このままでは本当に「誰もやらない」未来がやってきます。そうなる前に、待遇の改善と暑さ対策の本気の取り組みが必要です。建設現場の労働者は、まさに現代日本の土台を支える“縁の下の力持ち”なのですから。