「あと数年で会社を辞める…」そんな時、何を思う?
50代後半〜60代前半という年齢は、人生の大きな転換期です。
これまで仕事一筋で走ってきた人ほど、「定年退職後、自分は何をして生きていくのか?」という問いに直面します。
定年が現実味を帯びてくると、誰しもが心の中で次のような複雑な気持ちを抱くようになります。
1. 働かなくなる恐怖と自由のはざまで揺れる
定年退職を迎えることは、「解放」と感じる反面、「収入が断たれる不安」や「社会との断絶」を感じる人も少なくありません。
特に、役職に就いていた人ほど「肩書きがなくなること」に対して喪失感を覚える傾向があります。
例:
「部長」として20年やってきたAさん(61歳)は、退職後3ヶ月で「自分には何もない」と感じ、再就職を希望したものの、思うような仕事が見つからず、焦燥感に苛まれたと言います。
2. 老後の生活設計の不安
60歳から65歳までは再雇用制度などで働き続けられる企業もありますが、それ以降は完全リタイアになる人も多いです。
年金だけでは生活が苦しいという声も多く、「老後2000万円問題」も他人事ではありません。
準備すべきこと:
- 退職金の使い道と貯金の見直し
- 生活費のダウンサイジング
- 公的年金の受け取り開始年齢と金額の確認
- 医療・介護への備え(民間保険の再検討など)
3. 家族との距離感が変わる
これまでは「日中は仕事で不在」が当たり前だったのに、突然ずっと家にいるようになると、配偶者や子どもとの関係性にも変化が出ます。
特に家庭を顧みず働いてきた男性の場合、「邪魔者扱いされた」と感じてしまう人も…。
対策:
- 定年後の過ごし方を家族と共有しておく
- 家事や育児、介護への協力姿勢を持つ
- 一人時間と家族時間のバランスを取る
定年後を「第2の人生」として前向きに捉えるために
定年退職は「終わり」ではなく「スタート」です。
実際、60代以降から趣味を活かして起業したり、地域活動に目覚めたり、新たな人間関係を築いた人も数多くいます。
実践例:
- 釣りが趣味だった男性が、地元の釣具店でアルバイトを開始。やがて自分の釣りブログを開設し、今では釣りツアーのガイド役に。
- 定年後、地域のNPOに参加した女性は、行政との架け橋として活躍。人とのつながりが再び生きがいに。
結論:50代後半は「備え」と「学び直し」のゴールデンタイム!
- 資産の棚卸しと収支の見直し
- 体力・健康維持の習慣化
- 家族との関係性の再構築
- 定年後にやりたいことを“今から”探しておく
「老後に備える」というと不安ばかりが強調されがちですが、視点を変えれば、これからは「自分のために生きる時間」が始まるのです。
今のうちから備えることで、定年後の不安は希望に変わります。