2025年の夏、日本各地では連日の猛暑が続き、40℃近い気温を観測する地域も珍しくありません。しかし、異常気象による高温化は日本だけの問題ではなく、世界各国でも深刻な影響が広がっています。
では、世界各国は猛暑にどのように対応しているのでしょうか?そして、日本の対策と比べてどのような違いがあるのでしょうか。


1. 欧州:猛暑時の「労働制限」と「休暇文化」

ヨーロッパでは、猛暑日には労働時間を短縮する仕組み休暇制度の活用が一般的です。

(1) フランス:猛暑時の外出制限と冷却センター設置

フランスでは、気温が40℃を超えると政府が「猛暑アラート」を発令し、

  • 不要不急の外出自粛を要請
  • 公共施設や体育館を「冷却センター」として無料開放
    などを行います。さらに労働環境についても、屋外作業員には休憩時間を増やす指示が出されます。

(2) スペイン・イタリア:「シエスタ文化」

スペインやイタリアでは、**昼の12時〜16時までの「シエスタ(昼休憩)」**が定着。
気温が最も高い時間帯に働かず、夕方以降に業務を再開することで、熱中症リスクを減らしています。


2. アメリカ:柔軟な勤務制度と冷房インフラ

アメリカでは猛暑時にテレワークや時差出勤を推奨する企業が多く、

  • 「Heat Day」と呼ばれる猛暑休暇を認める企業
  • 猛暑時に屋外イベントを中止し、行政が冷房付き避難所を開設
    といった対応が一般的です。

また、冷房普及率は90%以上と高く、家庭や公共施設での避難もしやすい環境が整っています。


3. 東南アジア:夜間活動型の社会

マレーシアやタイ、フィリピンなど熱帯地域では、

  • 日中の屋外活動を減らし、夜間に市場やイベントを開催
  • 学校の授業時間を早朝や夕方に変更
    といった「生活時間のシフト」が一般的です。

4. 日本の現状:対策が追いつかない社会構造

一方、日本では連日の猛暑にも関わらず、

  • 通勤は通常通り
  • 夏季休暇は短期的(1週間程度)
  • 屋外作業員への休憩指導はあるが強制力が弱い
    といった状況が続いています。

また、エアコンの設置率は都市部では高いものの、学校や公共施設では未整備の地域も存在し、特に高齢者や子どもへのリスクが指摘されています。


5. 世界と日本の違いは「働き方」と「公的支援」

世界各国と日本の大きな違いは、働き方の柔軟性と公的支援の強さです。

  • 海外では猛暑時に休暇や勤務時間短縮が「当たり前」
  • 日本では「自己管理」で乗り切る前提が根強い

その結果、日本では真夏の通勤や業務による熱中症搬送者が毎年数万人規模に達しており、命よりも経済を優先する社会構造が浮き彫りになっています。


6. 今後の日本に必要なこと

世界各国の事例を踏まえると、日本でも以下のような改革が必要です。

  • 猛暑時のテレワーク義務化や時差出勤の推進
  • 冷却センターの設置や公共施設の冷房無料開放
  • 屋外作業員への法的な労働制限
  • 夏季休暇の長期化・分散取得

まとめ:世界の猛暑対策から学ぶべきこと

異常気象による猛暑は今後さらに深刻化すると予測されています。世界各国では「命を守るために働き方や社会の仕組みを変える」動きが進んでいますが、日本は依然として経済優先で個人に負担がかかる状況が続いています。

命を守るために、今こそ「世界標準の猛暑対策」を日本に取り入れる必要があるのではないでしょうか。

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