2025年8月8日、鹿児島県霧島市は、観測史上稀に見る記録的な豪雨に見舞われ、大雨特別警報が発令されました。
この未曾有の事態を受け、霧島市当局は全域の約12万人の住民に対し、緊急避難を指示しました。今、霧島市で何が起きているのか、そして、あなたが取るべき「命を守る行動」について、具体例を交えて詳しく解説します。
「24時間雨量500ミリ超」ってどれくらい危険?
今回の豪雨では、24時間で500ミリを超える雨量を観測した地点があります。これは、平年の年間降水量のおよそ3分の1〜4分の1が、たった1日で降った計算になります。
- 例えるなら:
- 一般的なバケツ(10リットル)50個分もの水が、たった1平方メートル(畳半分くらい)の範囲に降り注いだようなイメージです。
- ゴルフボールくらいの大きさの雨粒が、途切れることなく叩きつけるように降り続けるような状況です。
これほどの雨が降ると、地面は水を吸いきれなくなり、以下の深刻な災害を引き起こします。
差し迫る災害の脅威
1. 土砂災害の危険が「極めて増大」
- 状況: 大量の雨水が地中に浸透し、普段は安定しているように見える斜面や崖も、地盤が緩んでいつ崩れてもおかしくない状態です。
- 具体的な兆候の例:
- 斜面から小石がパラパラと落ちてくる。
- 山肌から濁った水がしみ出している。
- 土のにおいが強くなった。
- 木々の根元が揺れているように見える。
- 結果: 突然の土石流やがけ崩れが発生し、家屋が押し流されたり、生き埋めになったりする危険性が高まります。
- 具体的な兆候の例:
2. 河川氾濫の危険が「極めて増大」
- 状況: 観測史上最大級の雨量により、河川の水位が急激に上昇し、堤防を越えて水があふれ出す、あるいは堤防が決壊する寸前の状況です。
- 具体的な兆候の例:
- 普段は穏やかな川が、急に流れが速くなり、濁流になっている。
- 川の水位が護岸ギリギリまで迫っている。
- 川からゴウゴウという不気味な音が聞こえる。
- 結果: 河川敷だけでなく、周辺の広い範囲が浸水し、家屋の流失や住民の孤立など、甚大な被害が発生する恐れがあります。
- 具体的な兆候の例:
「緊急避難指示」の重み:12万人が取るべき行動
霧島市当局が全域の約12万人の住民に緊急避難を指示したことは、**「もはや待ったなし」**の状況であることを示しています。これは、警戒レベル5に相当する「命を守るための最善の行動」を直ちにとるべき段階です。
- 避難指示が出たら:
- すでに安全な場所へ避難できている方: その場所で、今後の情報に注意しながら身の安全を確保してください。
- まだ自宅にいる方:
- 安全に避難場所へ移動できる場合: 自治体が指定する避難所や、安全な親戚・知人宅へ、最大限の注意を払って移動してください。決して無理はしないでください。
- すでに外への移動が危険な場合:
- 垂直避難: 自宅の頑丈な建物の2階以上や、近隣のより高い建物へ移動してください。1階にいると、急な浸水で逃げ遅れる可能性があります。
- 危険な場所から離れる: 崖や斜面、河川から最も離れた部屋、または家の中で最も頑丈な場所に移動し、身をかがめるなどして安全を確保してください。
- 無理な移動は絶対にしない: 道路が冠水している、強風で物が飛んできているなど、外に出ることが命の危険につながる場合は、決して外へ出ないでください。
まとめ:命を守るために、今できることを
鹿児島県霧島市は、今まさに、過去に経験したことのないような災害の脅威に直面しています。
「大丈夫だろう」という油断は禁物です。 テレビ、ラジオ、スマートフォンの防災情報、自治体からの情報に常に注意を払い、ご自身の命、そして大切な人の命を守るために、今すぐ最善の行動をとってください。
被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、これ以上の被害が拡大しないことを切に願います。