マクドナルドが2025年8月8日から期間限定で始めたハッピーセット「ポケモン」キャンペーン。8月9〜11日の3日間にはポケモンカード(オリジナルピカチュウ含む)が数量限定で配布されることもあり、初日から多くの来店客が殺到しました。日本マクドナルドは「おひとりさま5セットまで」など販売上の注意や、フリマアプリ運営のメルカリと連携した転売対策を発表しています。マクドナルド+1
マクドナルド側の対応 — 「5セット制限」とメルカリとの情報連携
日本マクドナルドの公式発表では、ハッピーセット「ポケモン」は8月8日発売、カード配布は9日〜11日の3日間で、その期間はおひとりさま5セットまでの購入制限を設けると明記しています。また「転売または再販売、営利目的の購入や食べきれない量の注文はご遠慮ください」とも呼びかけ、メルカリとは発売前後の情報共有や権利侵害品の対策で連携すると発表しました。マクドナルドメルカリびより〖公式サイト〗
それでも出品は止まらない――初日からフリマに多数、値段は高騰
ところが販売開始から半日ほどで、国内のフリマサイトにはハッピーセット付属のおもちゃやカードが多数出品されているのが確認されました。報道ではセット単位で6,000円近い値段で出品されている例もあり、限定カード目当ての大量購入が早くも二次流通に流れている状況です。FNNプライムオンライン
海外の“入手ルート”と「食べる代行」――思わぬ形で広がるマーケット
さらに報道によれば、中国のフリマサイトには配布前のポケモンカードが出品されていたり、現地SNSに「(日本で)ハッピーセットを買って食べる代行をしてくれる人募集」といった投稿が見られるなど、国境を越えた“代行ビジネス”の動きも出始めています。こうした状況は、日本国内だけでなく海外の需要も複合的に影響していることを示しています。FNNプライムオンライン
なぜ毎回こうなるのか? 背景にある“コレクター需給”と二次流通の経済
ポケモンカードはトレーディングカードとしての希少性やコレクター需要が高く、限定配布があると“即効的に二次流通でプレミア化”するのが常です。また、ハッピーセット自体は低価格(店頭でのセット価格)であるため、転売者にとっては回転率が良く、短時間で利益を確保しやすい商品でもあります。実際、過去のハッピーセットコラボ(例:別キャラクターの回)でも発売当日から大量出品が相次いだ事例があります。J-CAST ニュース
プラットフォーム側の対応と限界
メルカリ側はマクドナルドと連携して事前の情報共有や権利侵害にあたる出品の削除などを行うとしています。だが実務面では「出品の検知→削除」のサイクルが間に合わないケースや、正規に購入した個人が転売する“グレーな出品”の線引きが難しい点など運用上の課題が残ります。企業の事前連携は抑止力にはなるものの、即時に全てを止める仕組みにはなりにくいのが現状です。ファミ通.com食品産業新聞社ニュースWEB
被害と懸念点 — 本来の対象(子ども)に届かない問題、食品ロスの懸念も
転売が横行すると、
- 目当てのおもちゃやカードが本当に欲しい子どもに行き渡らない、
- 中にはおもちゃ目当てでハンバーガーを大量購入して食べきれず捨てる行為が目撃されるケース(食品ロスの問題)、
- 店頭での長時間待ち・混雑による近隣トラブルや店舗運営への負荷、
などの副次的被害が発生します。マクドナルド自身も「食べきれない量のご注文はご遠慮ください」と呼びかけていますが、現場の混乱は依然懸念材料です。マクドナルドgrape [グレイプ]
企業・行政・利用者に求められる対応案
今回のような“争奪戦”を完全に止めるのは容易ではありませんが、考えられる対策はあります。
- 販売方法の工夫:抽選販売、事前予約、コンプリートセットの限定販売など(店舗ごとの“ランダム配布”以外の選択肢)。
- SNS/フリマ連携の強化:企業が事前に画像・商品IDを提供し、プラットフォーム側が自動検知で迅速に違反出品を削除。既に実施中ですが運用強化が必要。マクドナルドメルカリびより〖公式サイト〗
- 利用者のリテラシー向上:転売品購入のリスクや“本来の対象へ届かなくなる”という社会コストを消費者に周知する。
- 法的・規約面の整備:明確な違反基準(たとえば未開封のカードのプレミア出品を規約で制限)を設ける検討。
いずれも“抑止”にはつながるが、短期的には完全解決とはならない点に留意すべきです。
まとめ:プロモーションと“二次流通”のせめぎ合い
マクドナルド×ポケモンのような大型コラボは注目を集め、消費者に喜びを与える一方で、限定性がかえって転売マーケットを生み出してしまう構図があります。企業側の事前対策(販売制限やプラットフォーム連携)は重要ですが、最終的には消費者側のモラルやプラットフォーム運用の即応力、さらには販売方式の抜本的見直しが問われる出来事です。今回の初動での出品多発や海外代行の動きは、今後の企業側の対応強化やルール整備を促す“試金石”になるでしょう。FNNプライムオンラインマクドナルド
参考(主な報道・公式発表)
- 日本マクドナルド「ハッピーセット®のおもちゃで楽しく考えて遊ぼう!」(公式発表). マクドナルド
- 日本マクドナルド「株式会社メルカリとの取り組みについて」(公式). マクドナルド
- FNN「『マクドナルド×ポケモン』ハッピーセット争奪戦 出品や中国サイトでの動きを報告」. FNNプライムオンライン
- Famitsu / ITmedia 等の報道(メルカリ連携や転売対策の解説). ファミ通.comITmedia