2025年8月25日、日本列島は広範囲で猛烈な暑さに包まれ、環境省と気象庁は全国33地域に熱中症警戒アラートを発令しました。
「危険な暑さ」とされる日には、誰もが熱中症になるリスクが高まり、日常生活や社会活動に大きな影響が出ます。
熱中症アラートとは?
熱中症警戒アラートは、2020年から運用が始まった制度で、気温や湿度、日射などを加味した「暑さ指数(WBGT)」が33を超えると発令されます。
これは「命の危険があるレベル」とされ、
- 外出はなるべく控える
- エアコンを適切に使用する
- 高齢者や子ども、持病を持つ人に特に注意する
といった行動を国民に呼びかけるものです。
どの地域で発令されたのか?
今回アラートが発令されたのは、関東から九州にかけての33地域。
具体的には、
- 東京都心:予想最高気温37℃、アスファルトからの照り返しで実感温度は40℃近く
- 名古屋市:予想最高気温38℃、日中の屋外作業に厳重警戒
- 大阪市:36℃超え、夜になっても30℃を下回らない「熱帯夜」の見込み
- 熊本市:35℃、湿度も高く蒸し暑さが極限に
実際に名古屋市では、午前中から救急搬送される人が相次ぎ、消防局によると午前10時までに10件以上の搬送要請があったとのことです。
熱中症の具体例
熱中症は「真夏の炎天下で倒れる」イメージが強いですが、実は屋内でも多発しています。
例えば:
- エアコンをつけずに昼寝をしていた高齢者が、室温33℃の部屋で意識を失い救急搬送
- 部活動中の高校生が、炎天下でのランニング中に頭痛とめまいを訴え緊急搬送
- 建設現場で働く作業員が水分を十分に摂らずに作業を続け、熱失神を起こして倒れる
厚生労働省によれば、2024年夏の熱中症による救急搬送者は全国で約7万人、そのうち約1,000人が命を落としています。
どう防げばいい?
熱中症対策の基本はシンプルですが、実践することが重要です。
- こまめな水分補給(1時間にコップ1杯を目安)
- 塩分補給(スポーツドリンクや塩タブレット)
- エアコンの使用(28℃以下を目安に)
- 外出を避ける(特に正午〜15時は危険時間帯)
- 涼しい服装(通気性の良い綿素材、帽子や日傘の活用)
特に高齢者は「暑さを感じにくい」傾向があり、自覚症状が出たときにはすでに重症化していることも少なくありません。
まとめ
日本列島を襲う記録的猛暑で、33地域に熱中症警戒アラートが出された今回。
「まだ大丈夫」と油断せず、誰もが意識して予防行動をとることが命を守ることにつながります。
今年の夏は「災害級の暑さ」と言われています。
この異常な暑さの中で、私たち一人ひとりができる対策を徹底していきましょう。