群馬県前橋市で、市政の信頼を揺るがす深刻な対立が表面化しています。小川晶（おがわ・あきら）市長の一連の言動をめぐって、市議会が「市民の信頼を著しく損なった」として進退の判断を迫ったにもかかわらず、小川市長は「相談する時間がほしい」と述べるにとどまり、明確な姿勢を示していません。この煮え切らない対応に、議会側からは「深い不信と失望の念を抱かざるを得ない」との厳しい声が上がっています。
■ 市長の独断的な姿勢に批判集中
問題の発端は、小川市長の一連の振る舞いが「公人としてふさわしくない」と批判を浴びたことです。主な指摘は以下の通りです。
- 市議会や幹部職員との協議を一方的に打ち切るなど、対話を拒否
- 市民への説明責任を果たさず、重要政策を独断で決定
- SNSなどでの軽率な発言や市政軽視と受け取られる言動
特に2025年夏の都市再開発計画の見直しでは、事前の議会説明を行わず記者会見で突然方針転換を発表。事業者や住民に混乱が広がり、議会から「民主的手続きの軽視」と強く批判されました。
■ 議会が異例の申し入れ「市政は立ち行かない」
10月初旬、前橋市議会は正式な文書で市長に進退判断を迫りました。
「市民の代表機関である議会との協議・説明を軽視し、信頼関係を破壊するような振る舞いが続いている。このままでは市政運営は立ち行かない」
辞職を明言こそしなかったものの、事実上の「辞職要求」に等しい厳しい内容です。
■ 小川市長「相談する時間を」…決断先送りに批判
これに対し小川市長は記者団に対し、
「市議会からの申し入れは真摯に受け止めている。家族や関係者と相談する時間がほしい」
と述べましたが、辞職や進退に関しては明言を避けました。この対応に対し、議会や市民からは「時間稼ぎではないか」「逃げている」との批判が強まっています。
■ 市民の声「信頼できない」「早く結論を」
街頭インタビューでは次のような厳しい声が聞かれました。
- 「責任ある立場なら、すぐに結論を出すべきだ」（60代男性）
- 「議会と対立したままでは政策が進まない。辞めるなら早く辞めてほしい」（40代女性）
- 「この状態では市政がストップする」（20代会社員）
特に、子育て支援や公共交通など生活に直結する施策の遅れが懸念されています。
■ 今後の展開：3つのシナリオ
小川市長が進退を明らかにしない場合、今後は次のような展開が想定されます。
- 自発的な辞職 – 圧力を受け辞任に踏み切る可能性
- 議会による不信任決議 – 辞職か議会解散かの選択を迫られる
- 市民による解職請求（リコール） – 住民投票で辞職が決まる可能性も
■ まとめ：信頼回復には「決断」が必要
今回の問題は、地方自治における「説明責任」「対話姿勢」「信頼構築」の重要性を改めて浮き彫りにしました。小川市長の対応次第では、市政そのものが長期停滞しかねません。
「相談する時間がほしい」という言葉は、裏を返せば「決断できない」との受け止めにつながります。市民の信頼を取り戻すためにも、小川市長には一刻も早い明確な判断と責任ある行動が求められています。
【結論】
前橋市政は今、信頼という名の「岐路」に立たされています。小川晶市長の決断が、今後の前橋の未来を大きく左右することは間違いありません。