自民・公明の連立関係が再びきしみ始めています。
原因は「政治資金問題」と「政策協議の停滞」ですが、その裏にはもっと根深い“選挙の現実”が存在します。

今、永田町ではこんな声が飛び交っています。

「お前ら、創価学会票なしで選挙勝てるんか?」

これはネット上で話題となった、公明党側の“不満と警告”を象徴する言葉です。
本当に自民党は、公明党抜きで選挙を戦えるのか?
今回は、この発言の背景と「票の現実」について、具体例を交えて詳しく見ていきます。


◆公明党の「本音」:連立は“信頼”ではなく“票の交換”

自民党と公明党の連立関係は、もともと“政策連携”よりも“選挙協力”によって維持されてきました。
公明党が比例代表で約600万~700万票を安定的に確保し、その票を自民党候補の選挙区へ“回す”ことで、両者は長年の信頼関係を築いてきたのです。

しかし、近年そのバランスが崩れつつあります。

【具体例】
2021年の衆院選では、公明党が支援した自民党候補が約40選挙区で当選。
一方で、公明党が支援を見送った地域では、自民党候補が軒並み苦戦しました。
特に東京や大阪などの都市部では、学会員の「組織票」がないと勝てない現実が露呈しています。


◆「創価学会票」はどれほどの影響力を持つのか?

公明党の支持母体である創価学会は、全国に約800万世帯の会員を持つとされます。
そのうち、実際に投票行動に移す“実働部隊”は数百万人規模。
選挙ごとに全国で組織的な投票活動を展開することで、確実な得票を生み出してきました。

【具体例】
2022年の参院選・東京選挙区では、公明党・山口那津男代表が約79万票を獲得。
同じ東京で自民党候補は約65万票と苦戦し、学会票の「動員力」が改めて注目されました。
自民党関係者からも

「正直、学会票がなければ都市部は勝てない」
という声が漏れています。


◆なぜ今、公明党は“強気”に出ているのか?

今回の強硬発言の背景には、2つの理由があります。

① 政治資金問題への不満

自民党の政治資金パーティーをめぐる不正疑惑に対し、公明党は「説明責任を果たしていない」と不信感を募らせています。
党内では「一緒に沈むわけにはいかない」との声もあり、距離を取ろうとする動きが強まっています。

② 連立協議の“軽視”に対する反発

新しい自民党執行部が発足して以降、公明党への政策説明や協議の場が減ったとされます。
とくに「子育て支援」や「住宅ローン減税」の扱いをめぐって、公明党が提案した案が採用されないケースが続き、「パートナーとして軽視されている」という不満が噴出しました。


◆自民党の“本音”:離れられないが、縛られたくない

一方の自民党も、内心では公明党との関係に疲弊しています。
公明党の要求が増える一方で、支持層からは「学会に頭が上がらない」との批判も強いのです。

【具体例】
2019年の「高等教育の無償化」政策では、公明党の強い主張を受けて自民党が大幅に譲歩。
一方で、保守系議員からは「財源を無視した人気取り政策だ」と反発が相次ぎました。
このような経緯が続いた結果、自民党内には“公明疲れ”が広がっているのが実情です。


◆もし連立が崩壊したら…?

もし本当に公明党が連立を離脱すれば、自民党は参院で過半数を割り込む可能性があります。
加えて、都市部の選挙区では票が分散し、立憲民主党や維新が台頭するシナリオも現実的です。

特に東京・神奈川・大阪などでは、公明党の組織票が“勝敗を左右する票”として機能してきました。
そのため、自民党内でも「選挙を考えたら連立を切るのは無理だ」という声が圧倒的多数です。


◆まとめ:「政策」より「票」でつながる危うい関係

結局のところ、自民党と公明党の関係は「理念の一致」ではなく「票の利害」で結ばれています。
そのバランスが崩れれば、連立は一気に瓦解する可能性がある――。
今回の「創価学会票なしで勝てるのか?」という強気発言は、まさにその危うさを象徴しています。

自民党が独自路線を貫くのか、公明党が組織票を盾に存在感を強めるのか。
この秋の連立協議は、25年以上続いた“自公政権”の分岐点になるかもしれません。

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