2026年1月8日、神戸市で開かれた党会合にて、公明党の斉藤鉄夫代表は**「国民の信頼を勝ち得れば、再び与党として政策実現で力を発揮する。そのことを目指して再出発したい」**と述べました。
昨年10月、高市総理のタカ派的な姿勢や政治資金問題への対応を巡り、自民党との連立を解消した公明党。しかし、野党として迎えた新春、彼らが直面している現実は厳しいものでした。
1. なぜ「与党」でなければならないのか?
公明党が与党復帰を急ぐ最大の理由は、**「野党では自分たちの持ち味が活かせない」**という痛切な実感にあります。
- 具体例:2026年度予算案への影響力喪失現在政府が編成している2026年度予算案に対し、斉藤代表は「生活者への細かい配慮に欠ける」と批判しています。与党時代であれば、協議の段階で「低所得世帯への給付金」や「子育て支援の拡充」をねじ込むことができましたが、野党となった今は、完成した予算案を国会で批判するしか術がありません。
- 具体例:ブレーキ役の不在高市政権は、維新の会との連携を強め、防衛力の抜本的強化や核共有議論の検討など、右派色を強めています。公明党は「平和の党」としてこれらを抑制したいと考えていますが、連立を離脱したことで、政権内部からブレーキをかける権限を失ってしまいました。
2. 公明党が狙う「政策実現」の具体策
斉藤代表が語る「再び力を発揮したい政策」には、公明党独自のカラーが強く反映されています。
| 重点分野 | 具体的な狙い |
| 政治改革 | 企業・団体献金の全面禁止など、自民党が消極的なクリーンな政治の実現 |
| 社会保障 | 高校授業料無償化の「実質化」(所得制限の完全撤廃と全国展開) |
| 外交・安保 | 核兵器禁止条約へのオブザーバー参加など、独自の平和外交の推進 |
| 物価高対策 | 電気・ガス代補助の継続など、家計に直結するきめ細かな支援 |
これらは、現在の「自民・維新」の連立枠組み(新自由主義的、タカ派的)では優先順位が低くなりがちな項目です。公明党は、これらを人質に取る形で、再び政権の「バランサー」としての地位を狙っています。
3. 与党復帰への高いハードル
意欲を燃やす斉藤代表ですが、道のりは険しいのが現状です。
- 「維新」というライバルの存在:高市首相は、安全保障や憲法改正で意見が近い「日本維新の会」を新たなパートナーに選んでいます。維新が与党に居座る限り、公明党の「席」は空いていません。
- 支持母体の動揺:長年の連立に疲弊した支持母体(創価学会)の中には、「野党として原点に戻るべき」という声も根強く、早期の連立復帰は「節操がない」との批判を招くリスクがあります。
- 選挙協力の崩壊:すでに地方組織では、自民党との選挙協力の見合わせを表明する動きが出ており、一度壊れた信頼関係の修復には時間がかかります。
まとめ:2026年は「公明党の正念場」
斉藤代表の発言は、党内に向けては「いつまでも野党でくすぶるつもりはない」という鼓舞であり、自民党に対しては「維新との連立で本当に国民の支持は得られるのか?」という揺さぶりでもあります。
今後、高市政権の支持率が低迷したり、維新との政策調整が難航したりした際、公明党が「救世主」のような顔をして復帰交渉に臨むのか。その駆け引きに注目が集まります。