1. 「持ち帰り0% vs 店内飲食10%」が招く深刻な客離れ
高市首相が推進する**「食料品消費税の2年間ゼロ化」。スーパーやコンビニで購入する食料品、あるいはテイクアウト(持ち帰り)が0%になる一方で、「外食(店内飲食)」は10%のまま据え置かれる**見通しです。
拡大する「10%の溝」
かつての軽減税率導入時(8%と10%)でさえ混乱を招きましたが、今回は「0%か10%か」という極端な差が生まれます。
- 日本フードサービス協会・久志本京子会長の指摘: 「10%の価格差はあまりに大きく、消費者の店内飲食離れが加速し、文化としての外食が崩壊しかねない」と強い危機感を表明しています。
1,000円のランチを食べる際、持ち帰れば1,000円、店内で食べれば1,100円。この「100円の差」が、コロナ禍を経てようやく客足が戻りつつある飲食店を再び苦境に立たせています。
2. 飲食店主が悲鳴「納税額が倍増する」カラクリ
今回の政策において、現場の経営者を最も震えさせているのが**「仕入れ税額控除」の問題です。居酒屋店主の冨田和裕氏**がX(旧Twitter)で共有した試算が、業界に衝撃を与えています。
なぜ納税額が増えるのか?(仕入れ税額控除の罠)
通常、消費税の納税額は「売上にかかる税金」から「仕入れにかかった税金」を差し引いて計算します。
- 現状: 食材を8%で仕入れ、料理を10%で出す。差額の2%分を中心に納税。
- 新政策: 食材の仕入れにかかる税率が0%になる。
- 結果: 売上の10%をそのまま国に納める形になり、「差し引ける税金(控除)」が消滅。
冨田氏の試算によれば、この仕組みにより実質の納税額が従来の2倍近くに跳ね上がる店舗が続出するとのこと。売上は減る(客離れ)のに、税金は増えるという、飲食店にとって「ダブルパンチ」の状態です。
3. 業界の反応:7割以上が業績悪化を懸念
最新の飲食店調査では、**73.5%**の事業者が「業績にマイナスの影響がある」と回答しています。
調査から見える懸念点:
- 「0%のコンビニ弁当との価格競争に勝てない」
- 「仕入れ価格が下がっても、納税額が増えれば手残りの利益がなくなる」
- 「店内飲食からテイクアウトへの切り替え設備投資が追いつかない」
4. 政府の動向:外食救済策は間に合うか?
こうした猛烈な反発を受け、政府内でも**「仕入れ税額控除の維持」**などの救済策が検討され始めています。
具体的には、食材を0%で仕入れたとしても、帳簿上は旧来の税率で仕入れたとみなして控除を認める「みなし税額控除」のような特例措置です。しかし、これが導入されるか不透明なまま政策だけが先行しており、現場の不安は収まりません。
まとめ:外食は「贅沢品」なのか?
高市首相の「2年間ゼロ」政策は、インフレに苦しむ国民にとって大きな支援となる可能性を秘めています。しかし、その陰で日本の食文化を支える個人店やレストランが「10%の壁」によって淘汰されることがあってはなりません。
今後、政府がどのような「外食救済策」を打ち出すのか、そして私たちの「外食の楽しみ」が守られるのか。今後の議論の行方に注目が集まります。