「#〇〇消えろ」「#△△終わった」
そんなネガティブで攻撃的な言葉が、ある日突然SNSのトレンドに上がってくる。タイムラインを開いた瞬間に目に飛び込んでくる悪意。こんな光景に、うんざりした経験はありませんか?
SNSはかつて、自由に意見を言い合い、共感や情報を得る場所でした。しかし今、SNSは「攻撃することが快感な一部の人たち」の遊び場になってしまっているように感じます。本記事では、なぜそんな悪質な言葉がトレンドに入るのか、そしてSNSはもはや“使う価値がない場所”になりつつあるのかについて、具体例を交えて解説します。
SNSトレンドが「汚染」されるメカニズム
1. トレンド入りの仕組み:誰でも操作できる?
SNS、とくにX(旧Twitter)のトレンドは、「あるキーワードが短時間でどれだけ急上昇したか」によって決まります。そのため、一定数の人が同時に特定の言葉をツイートすれば、トレンド入りは可能なのです。
この仕組みを逆手に取って、組織的にトレンドを操作するグループや個人がいます。
具体例:VTuber「#〇〇引退しろ」事件
2023年、ある人気VTuberが炎上した際、「#〇〇引退しろ」というハッシュタグが数分でトレンド入り。調査によって、ツイートの大半がフォロワー数0〜5のアカウントから発信されており、同じテンプレートを使ったコピペ投稿が多数確認されました。しかもこれらの投稿時間がほぼ一致しており、意図的な投稿が組織的に行われたことが明らかになっています。
好きな人だけが集まって、悪意が循環する空間に
こうした現象の背景には、SNSが**“似た者同士だけが残る空間”**になりつつあることが関係しています。
1. 批判をエンタメにする人々
「悪口で盛り上がるのが楽しい」
「誰かを叩いて仲間意識を感じたい」
そんな人たちが集まり、SNS上に“ミニコミュニティ”が形成されています。そこでは、攻撃対象を見つけては一斉に叩き、共感し合いながら優越感を得るという流れが定着してしまっています。
2. 普通のユーザーが離れていく
対照的に、普通に使いたいユーザー──たとえば、趣味や日常のことを発信したいだけの人、静かに情報収集したいだけの人──は、疲れてSNSを離れていく傾向にあります。
具体例:あるユーザーのツイートより
「SNS開くたびに誰かが炎上してて、トレンドは悪口ばっかり。情報は見たいけど、気分が落ち込むから見るのやめました」
このようなツイートが最近では頻繁に見られるようになっています。
SNSに未来はあるのか?使う価値はどこに?
1. 情報収集ツールとしての価値はまだある
一部では、政治・災害・イベント情報の即時性など、SNSにしかない価値も確かに存在します。特にX(旧Twitter)は、ニュースの速報性という点では他に代わるものがまだありません。
ただし、そうした情報を得るためには、
- フォローするアカウントを厳選する
- トレンド欄を見ない設定にする
- リスト機能を活用する
といった自衛手段が必要です。
2. 心の健康と時間を守るには「距離を置く」選択も
「もはやSNSに疲れた」「悪意ばかりで見ていてしんどい」と感じているなら、それは正常な感覚です。SNSはツールにすぎません。合わないと思ったら、離れてもいいのです。
実践例:
- アカウントを一時凍結(休眠)
- 通知を切る
- 必要なときだけ見る「オンデマンド型SNS利用」へ
まとめ:SNSは「好きな人だけが残る世界」に変わってしまった?
SNSは、誰でも自由に発信できることがメリットである一方、今ではそれが「悪意の拡散装置」として使われるケースも多くなってきました。トレンドに浮かぶ攻撃的な言葉、組織的な叩き、そして楽しんで悪口を言い合うコミュニティ──こうした空気に疲れた人は、静かにSNSから去っているのが現実です。
それでもSNSを使いたいなら、
「心を守るための使い方」
を模索することが必要です。
一方で、「もういいかな」と感じるなら、無理して続ける必要はありません。SNSは義務ではなく、あくまでツールのひとつにすぎないのですから。
☁ 最後に
この記事に共感したら、SNSから少し距離を置いて、深呼吸してみてください。あなたの心をすり減らす必要は、どこにもありません。